テーマ:ベートーヴェンの思想

ベートーヴェンの思想(22)フィデリオ

      二つのオペラ ベートーヴェンは唯一のオペラとして「フィデリオ」を書いていますが,そのはかにも、「マクベス」や「ファウスト」のオペラ化も考えていたようですが、平凡な経過で、「レオノーレ」(または「フィデリオ」)に落ち着いたようです.初版は1805年、第二版は1806年。またベートーヴェンは「レオノーレ」という題名にこだわって…
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ベートーヴェンの思想(21)作品132の弦楽四重奏曲

作品127にはじまり、130,131,132,133,135と続く晩年の弦楽四重奏は最も優れたもので,その一つを選ぶのは無理である。しかし本稿では取り付きやすい曲を選ぶのが趣旨だから、132を選ぼう、131が好きだが。132の第3楽章は「病の癒えたものの神にささげる感謝の歌、-イオリア調で」という目玉作品がある。131全体に広がる,孤独…
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ベートーヴェンの思想(20)第九交響曲

第九の冒頭は暗雲立ち込めた未知の世界から始まる。 ここ数回晩年の作品が旋律性にとんでいるのを指摘した。そして第九の第一楽章をきいて益々自信をつよめた。全体的に旋律重視といえる。フレーズ全体といわなくても、数小節からなる動機でもそれが変形して進行するのではなく重ね合わせたり、ずれたりしてつづいていくから、全体してみると旋律性が表面化して…
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ベートーヴェンの思想(19)ピアノソナタ32番

ミケランジェリの作品111 「俺は運命の咽喉をつかむ」という予言的傲語がこの曲の冒頭に暗示される。そして成就してしまった。その言葉の勇気に我々が感嘆する間に、それらを行為に翻訳した力はなおあっぱれな物ですらあるが、力の知識は、この曲では従前の曲とは違い、諦めの境地を通りぬけ、天国的透明感に達している。闘争の年年の果実であり、個人的…
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ベートーヴェンの思想(18) ハンマークラヴィアーのソナタ

この作品106のソナタは巨大性と旋律重視が見られ、作品109,110,111とは区別して移行期の作品にします。 ベッカーのハンマークラビアーソナタに関わる文章の要点はこう読める。 彼のうちに沸き起こった情熱は、感覚及び気凛の情熱ではなくて芸術的想像のそれであった。この芸術的想像の世界を推察するに、彼の記憶は、ピアノに表面上幾らかの類…
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べートーヴェンの思想(18)弦楽四重奏ハープ(中期から後期への以降期)

彼は「俺は運命の咽喉をつかむ」という予言的傲語を成就してしまった。そして、「その言葉の勇気に我々が感嘆するあいだに、それらを行為に翻訳した力はなおあっぱれな物ですらある。力の知識は、人生の牧歌的側面を喜ぶ能力と共に(例「田園」ー著者)、移行期以後は闘争の年年の果実であり、個人的英雄主義の賛歌である偉大な種々の作品を生んだ時期の成果であっ…
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ベートーヴェンの思想(17)大公トリオ作品97(移行期)1811-12)

セロソナタ第三番のあとは後期への移行期とみられているが、大変面白い作品が多く、ひとつに分類されそうだが、それらは移行期として分類されるのが結果として適切だろう。ぞれをどの範囲までとるかには定説はないが、私が好きなのは、第7、第8交響曲,弦楽四重奏作品74,95、ピアノソナタ「ハンマークラビアー」、歌曲「遥かな恋人へ」などだが、格別なのは…
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ベートーヴェンの思想(16)第7交響曲作品92(1812)

これは中期・後期の境目の特徴をよく表した曲で、「運命」より情緒的で私が好きな曲でした。このごろ思うのですが、中期の傑作群は形がしっかりしていて、短い動機の積み重ねで建築性に富んだのが特徴で、内容はその形態感の美しさにあると私は思います。内容は 叙情より叙事性にあって、例え第4のよいに生の喜びに溢れたものでも、それが自然描写のような形で…
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ベートーヴェンの思想(15)セロソナタ第三番

これは名曲。セロの演奏会へ行けばきっと出会う。仇名が(「クロイツエル」や「春」のように)ついてないからセロが好きな人だけに有名。でも10曲あるヴァイオリン・ソナタより総じて、5曲あるセロソナタの方が名曲が多い。チェロ・ソナタは作品5の2曲、作品69のこの第三番、作品102の2曲と生涯にわたって書いているのとヴァイオリン・ソナタが初期に9…
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ベートーヴェンの思想(14)「運命」に指揮者は何を加えるか(24LPとCD)

1937年のフルトヴェングラー・ベルリンフィルと23ある残余の「運命」の第一楽章を比べてみた。 6)ベーム・ベルリンフィル(LP) 一番最初に買った「運命」のLpは思い出深い。ベームは一定したテンポで穏健な演奏するので有名だが、これも例外ではなかった。迫力はあるが、興奮させもしない。安定な演奏という印象だ。5年間以上も私が持っていた…
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ベートーヴェンの思想(13)「運命交響曲」に指揮者は何を加えられるか(フルトヴェングラーの場合)

  1937年 1)何と見事な演奏か。がっしりとした形、音楽から発散する力。今度18枚聞いた「運命」第一楽章のうち文句なしにこれが(1937年10月8日と11月3日にベルリンベートーヴェン・ホール)最高だった。今の水準からすれば早いテンポ。それが演奏全体をひきしめている。晩年の指揮が遅いので有名なせいか、若かったからとも思いたくなる。…
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ベートーヴェンの思想(12)「運命」交響曲とは?

今度不思議な傾向に気づきました。私のコレクションのことですが、ベートーヴェンの弦楽四重奏全曲は収集したのは11組の殆どがLPです。これに対し交響曲は全曲収集したのも偶然11組でぢたが、殆どがCDです。普通の人とは反対のようで、若い時に弦楽四重奏曲、年をとって交響曲なのです。でも自分には年齢とは関係なく、気持のせいでこうなったのです…
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ベートーヴェンの思想(11)10弦楽四重奏団CDのラズモスキー(下)

前回LPで出ている弦楽四重奏団で私の持っているベートーヴェン弦楽四重奏全16曲からラズモスキーについて感想をのべた{主に作品59-1)。レナー、スメタナ、ジュリアード、ヴェーグQRだった。LPをCD化すると高音の伸び、音の艶が落ち、音に丸みが出てしまう。上記四重奏団も一部CD化しているが、それはLPとCDの折衷音で、CDオリジナルの音で…
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ベートーヴェンの思想(11)ラズモスキー弦楽四重奏曲のLPとCD(上)

          ジュリアードQR ラズモスキーの楽譜を見ると目で追うのが困難なほど複雑で、19世紀初頭にはこの曲は貴族の楽しみの筈だったから、彼らの演奏能力はこんなに高かったと驚く。しかし調べてみるとベートーヴェンはこの曲をラズモスキー伯爵に献呈してはいるが、演奏にはラズモスキー伯爵家つきのヂュパンンツィヒ弦楽四重奏団がやるとベー…
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ベートーヴェンの思想(10)ラズモフスキー弦楽四重奏曲

これと比べるとメルスマンの意見は微妙に違う。ハンス・メルスマンマンはドイツの学者で、昭和32年に来日して、私は彼のベートーヴェン研究の影響を強く受けた。彼はラズモスキー弦楽四重奏曲を高く評価し著書『ベートーヴェン」(野村良雄訳、音楽の友社)の和訳140ページのうち、p76からp80までの、5ページをラズモスキーに費やしている。その一部を…
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ベートーヴェンの思想(9)「ワルトシュタイン」

「クロイツエル・ソナタ」と同じころこのソナタを書いた。両者を比較した論説を読んだことはないけれど、両者は派手なだけで、ベートーヴェンらしい内容がない点、似ていると私は思う。「ワルトシュタイン・ソナタ」はすぐあとに「熱情・ソナタ」を書き、情熱の内実を示したのに、何故このソナタを書いたのか、ずっと疑問に思っていたが、LPでグルダの演奏を…
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ベートーヴェンの思想(8)「クロイツエル・ソナタ」と第九

クロイツエルはルドルフ・クロイツエル、当代の最も有名なヴァイオリニストだったそうで、彼に捧げられた作品だ。初演こそ黒人ヴァイオリニスト、ブリッジタワーとなされたが、本来はクロイツエルに捧げられた作品だった。ヴァイオリン・ソナタとしては10曲中第9番目の作品47で「エロイカ」(作品55)製作中に、大急ぎで書かれたものとされている。名演奏家…
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ベートーヴェンの思想(7)17CDの比較からエロイカ第一楽章の思想を思う

ベートーヴェンの中でも「エロイカ」は好きなせいか、自然にCDが集まってしまった。17枚にもなった。それらを特色で分類するのは存外難しい。例えばテンポの伸び縮みで表情をだすのは多くの曲でやられる方法だが、この曲に限り,多くの指揮者はその方法をとっていない。思うにベートーヴェンは作品の中に十分表情の変化を書き込んでいるため、テンポの伸び…
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ベートーヴェンの思想(6)エロイカ第一楽章の解析

「エロイカ」が描写音楽ではなく、古典音楽つまり音の自然な組み合わせで出来、そこに思想をもりこんだもので、聞く人がある特定のイメージを作りだしたものだと考えます。そうとすれば、どんな音の組み合わせを思想の表現のために使ったのであろうか。細かい研究がリーツラーによって行われているので、その第一楽章を私なりに理解しおぎなってみる。  …
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ベートーヴェンの思想(5)「英雄」(「エロイカ」)

交響曲第3番は「英雄」と呼ばれるが、この第1楽章の最後に近い部分を聞くと何時も英雄が敵を蹴散らして進む場面を私は思ってしまう。その姿を描くためにこの音楽の場面 を書いたのではないかとさえ私は思ってしまう。でもそんなことはない。ベートーヴェンが活躍したのは古典音楽、つまり音の秩序を尊重した時代。イメージが頭にあり、それを音にしよ…
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ベートーヴェンの思想(4)ヴァイオリン協奏曲ニ長調(続)

リーツラーの著書に次の文がある。これは前回述べたこの曲のフランスへの接近にはまったく触れず、ドイツの音楽として取り合っている。(ベートーヴェン(音楽の友社p208) 「和声的に全然仲介のない、叩くような「嬰ニ」の音によって、たびたび、妨げられるものとなっている。それは閉鎖てきな活動範囲から対照の世界の中に追いだされたあの「開放的形式の…
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ベートーヴェンの思想(3)ヴァイオリン協奏曲ニ長調

新しい協奏曲の分野を「皇帝」で開いたと述べた。この「ヴァイオリン協奏曲」もそれに順ずるものという説がこの頃広がったようである。 この作品はウイーンの優れたヴァイオリニスト・クテメントの依頼で1806年12月23日アン・デア・ウイーンで初演された。準備期間も少なかったせいか、あまり初演の成果はよくなかった。初演の短い批評のなかで、形…
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ベートーヴェンの思想1 ピアノ協奏曲第5番「皇帝」

私は年明け直ぐ2日に85歳になる。そんな老人になったかと思うし、2006年4月から週1回ブログを書いて、今「バッハの宇宙」を完結したが、まだいい残した思いがするので、暫く続けさせていただきたい。週1回より伸びるだろう。 今回はベートーヴェンの幾つかの曲の感想である。ベートーヴェンが人間としてどんな気持ちのとき、それぞれの曲を書いたのか…
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昭和一桁のオーディオ(52)40歳の溜息(中)

60年安保以降でしょう。普及した考え方の一つとして、研究者は研究成果で社会的な貢献をしなければならない、という考え方です。湯川秀樹などノーベル賞クラスの学者が原爆発明を期に世の中に出て行きました。私がコーラス運動や前回の教授懇話会開催に力をいれたのは、その流れで、科学者の社会からの孤立を嫌ったからです。 日本科学者会議が設立されたのも…
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