ヘンデル(7)「オルランド」(H33)

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1729~37はロンドンオペラの不況期とよばれます。不況期といわれるのは、一つには利益が消えたロィアル;アカデミーが倒産し、新会社が設立されたこと、新会社のためにヘンデルが歌手探しにイタリア旅行に出かけ、その成果は一時的には良かったものの、オペラ界の内部分裂を促進したことからです。
。この期間の作品には今も評価されている曲が4~5曲ありますから、決して不毛とはいえないけれど、お客が全く入らず当時はヘンデル・オペラの不毛期とみなされます。。
1733年度の作「オルランド」は評価の差が激しかったが、今となると名作といわれていて、最近も上演されました。「オルランド」は名曲のひとつです。これは分裂派がうまれた頃の作品で毀誉褒貶がはげしかったのですが、1980年台にも公演されていることから評価はおのずと明らかです。なおこれはアリオストの叙事詩「狂ったオルランド」にもとづいた三部作の第一作「恋いするオルランド」で、他は「アリオダンテ」と「アルチーナ」です。オペラの台本はジーグモンドで、上演に当たり、ヘンデルが少し手直しをしています。それがグローヴのオペラ事典にのっています。
オルランド;騎士、  アンジェリカ;中国の女王、メドーロの恋人、  メドーロ;アンジェリカの恋人、アフリカの王子、ドリンダ;羊飼いの少女、ゾロアストロ;魔法使い、 イザベッラ;王女
「オルランド」の筋ですが、ヘンデルは手を入れ、アリオストの原作に、ゾロアストロという魔法使いを考えだし、情景の変化を多様にしています。、
第一幕 魔法使いが空を見てオルランドが何時の日か高潔な士となるのを占う。そこへオルランドが現れ、愛と栄誉という矛盾する願いを夢みているので、魔法使いは遠方の山を愛の宮殿にかえ、そこで眠る英雄たちをみせ、愛の危険を教え、軍神マルスに従うよう教える。オルランドは二つが矛盾しないと信じる。
場面が変わりドリンダの住む小屋で、オルランドがお王女を助けてきて、外を一緒に歩いている。彼はアンジェリカを愛している。アンジェリカが登場。彼女は克ってオルランドに求愛されたが、今はメドーロが好きになっている。傷をなおしてやってからである。メロードがオルランドとアンジェリカの傍にあらわれそうになったので、ゾロアストロは場面を庭に変え、メロードを噴水のかげにかくれさせる。オルランドが王女と歩く姿をみたアンジェリカは妬いた振りをする。オルランドに王女と二度と会わないと誓わせ、そこへメロードが現れ、誰と話していたかを問い詰め彼女はオルランドのことを話し、恋敵と争わないようたのむ。二人が抱き合うところをドリンダはみる。二人が許嫁であることを白状させ隠れ屋を提供する。お礼にドリンダにアンジェリカは宝石をおくる。メロードが本来謝礼をすべきだったと、ドリンダは考え、何もしないのに傷つけられる。ドリンダは密かにメロードを慕っていたこともあったからだ。
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他の「オルランド」舞台
第2幕、ドリンダはアンジェリカからもらった宝石をメロードからのものといつわり、オルランドに見せ、アンジェリカとメロードが恋人のことをしらせる。オルランドはメロードからもらった宝石が、克ってアンジェリカに与えたもの宝石だったので彼女のうらぎりを確信する。オルランドは自殺して、アンジェリカを地獄まで追うと決意する。
処変わって、月桂樹が生える洞窟の前、ゾロアストロはオルランドを怒らせた二人の恋人をとがめている。メロードは月桂樹に二人の名を刻みこみ、アンジェリカはカターイに戻る決意をする。二人を追ってきたオルランドは木の二人の名を見て怒り、アンジェリカを追って、洞窟の中に駆け込む。他の口からアンジェリカは逃げる。次いでオルランド最後に洞窟からメロードがでる。ゾロアストロが登場し、魔法をかけ、彼女を霧に包む。4柱の神霊に囲まれ彼女は運ばれていく。今や正気を失ったオルランドは彼女が黄泉の国へ行ったと勘違いし、自ら亡霊となって三途の川を越え黄泉の国に入り、女王の腕に駆け込んだアンジェリカの姿を幻影し始めて、その姿に憐れみを感じる。オルランドは洞窟のなかへとびこむと、洞窟は破壊し、ゾロアストロが二輪車にのって現れ、彼を腕に抱え飛び立つ。
第3幕  メロードがドリンダの小屋に現れ、アンジェリカに匿ってもらうよう頼まれたという。ドリンダはメロードが最早彼女を欺かないのを嬉しく思う。オルランドがあらわれ、ドリンダを熱烈に愛しているというが彼女をヴィナスと呼んだのでオルランドが狂気から抜け出ていないと知る。妄想はひどくなり、武器を放り出し、想像上の敵と戦い、舞台をさる。ドリンダの家をオルランドが壊し、その下敷きになってメロードは死んだと彼女はアンジェリカに告げる。彼女は悲しみに沈む。オルランドが現れ、彼女を脅すが動じない。彼は彼女を洞窟になげこむとあたりはマルテ神殿にかわる。ゾロアストロは狂えるものを正気に戻す時期が来たと判断、顔に液体をかけ正気にもどす。オルランドはメロードを殺した自責に念に駆られる。実はメロードはゾロアストロに救われていた。自殺を願望するオルランドンに思いとどまらせ、「メロードとアンジェリカの結婚をみとめる」よう説き、オルランドは二人を祝福し、祭壇に火がともりマルテ像が浮かぶ。ドリンダは自分の家に全員を集め、全員が愛と栄光をたたえて大団円となる。
「オルランド」は超自然効果をふくめ、バロック・オペラの域をでた、狂乱した主人公の精神状況を表現しています。現代の感性に強く訴えかけます。それは幻想世界として使いったのが、わたしがみたDVDでクリスティ指揮チューリッヒ歌劇場(2007年)ミヤノヴィッチ他です。
この上演ではオペラは場所を精神病院にとり、アンジェリカへの恋愛で狂ったオルランドの行動を示していますが、話を知らないとオペラの筋はを見抜くのは困難です。概要は次の通りです
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「精神病院にオルランド将軍が送られてきます。彼は恋と名声の板ばさみにある。医師(魔法使い)は脳を解析し、名声を選べと勧めるが彼はアンジェリカへの恋を選ぶ。彼女はかってオルランドが好きだったが、今はメロードに熱をあげている。メロードはドリンダが好きだったが、今はアンジェリカに鞍替え。ドリンダは心の置き場に苦しんでいる。この経過が現代風の心理劇としてあらわされていて、場所は殆ど精神病院です。原作は魔法の世界ですが、この上演ではあくまで心理的異常をあらわすものとして取り上げられ、特に2幕最後のオルランドの発狂の場面はみものでした。魔法使いの意図でオルランドは偽のナイフでアンジェリカを殺害までさせます。アンジェリカへの愛が原作では地獄での出来事であるのに、オペラは精神に異常をきたしたオルランドの振る舞いにされ、極めて納得のいくものでした。異常さは全体的にはコミカルであり、みるに耐える出来栄えでした。オルランドが正気に戻るのは手術によってで、最後はアンジェリカへの思いを放棄し、狂気を乗り越え、名誉を回復します。」
ヘンデルの傾向はこの時フランスオペラもとりこんで新しい様式を模索していましたから、この時代のヘンデルらしさは感じられませんでした。この上演hは現代にうけいれやすくしてあり、つまり幻想世界における登場人物の心理状態に焦点をあてられそのことがわれらに再解釈を強います。演出方法に音楽の表現が巧みに結び付けられるとき巧舞台ができます。
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;この曲に前後作曲されたオペラは次の通りです。
ロタリオ(26)パルテノーパ(27)ポーロ(28)エツイオ(29)ソザルべ(30)オルランド(31)クレタ島のアリラン(32)アリオダンテ(33)アルチーナ(34)アタランタ(35)アルミニオ(36)ジェステイーノ(37)ペレニーチェ(38)ファラモンド(39)クセルクセス(40)イドメネオ(41)デイダミア(42)

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