薪の放射能

「表皮1キロから1130ベクレルの放射能が検出された」、そうです。(樹皮は樹木の数%にもなりませんが)
樹皮は外界から樹幹を防御するためのものものです。そこで雨をはねつけるような化学成分、例えば脂質やコルク質(ズべリン)などからできています。だから雨がしみとおるのは不自然ですが、長い歳月には割れ目が出来ますから、そこへ雨が入り込み、長い間溜まっていることもおこります。放射性物質が測定されても不思議ではあらいません。
「j樹幹の内部から放射能は検出されなかった。当たり前でしょう。幹の外側は根から水を吸い上げるためのものです。樹皮の方から水がはいりこんでは困ります。倒れた樹木に根から雨水がはいりこむのはごく微量でしょう。水を吸い込むのは幹の外側の1割にもならない所です。そこへ倒れた根から雨水が入るのは稀です。真ん中は幹をささえるためのもので、水を通しません。
木は穴だらけですが縦と横では水の通り方が大違いなのです。幹の周辺は縦に水の移動は多くても横へは殆ど移動しないものです。木の解剖学というのがあり、木を分析した樹木の内部の構造をあきらかにしています。幹の縦方向への移動は外側では容易です。細胞は長く、継ぎ目に穴があいています。横方向は狭く、細胞と細胞の境目に小さな穴が沢山あいていますが、通り抜けは容易ではありません。まして樹皮を通り抜けて水が移動するのは不可能です。
アカマツの最小単位である細胞は長さ5ミリ、幅0.05ミリ程度ですから、ほとんどが空隙です。壁は無視できます。比重が0,3くらいです。それが木という材料の特徴となっています。
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                           赤松の組織(佐伯教授の写真)

大文字の実行委員会はこんなことを知っていて樹皮は水になじまないと予想し、だから放射能がないと考えたのでしょうが、実際の木を観察しなかったのでしょう。水に濡れた所を見れば警戒したでしょうに。実際の樹皮は割れ目ができていて、水が溜まっている筈です。でもその下に皮ができていて、木材は保護されていましょう。

それにしても福島原発はいったい総計どの位の量の放射性物質を空気中にだしたのでしょうか。(9月9日現在持,1,5京ベクレル、京は兆の千倍だそうです)それは雨・風・人力によって日本国内に大半はばらまかれたでしょう。その膨大な量と比べ、「大文字」の空に拡散するのはそ僅かで、そんなに重要事件でしょうか。もっと覚悟しなければならない事態に現状はあるのではないでしょうか。(善本知孝、元東京大学農学部教授)

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