テーマ:オペラの風景

オペラの風景(80)ロマン派オペラ作曲家の意図(下)

(5)ドイツのロマン派オペラは伝統の音楽劇ムジカーリッシュ・ドラマから発展しています。そのためか、アリアが少なく、セリフと見合う歌が登場する程度です。オペラは伝説やそれを作者流に変形した「説話」になることが多いようです。説話は中国の言葉で、長い話を聞かせる話法です。話し方だから、どんなスタイルにもなるので、分類の一つに入れるには相応しく…
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オペラの風景(79)ロマン派オペラ作曲家の意図「中」

(2)喜劇は日本語感では漫才に近いけれど、コミック(喜劇)はもっと広い領域を含みます。ヴェルディが書いた「ファルスタッフ」は立派な喜劇と認められていますが、日本語で読むとなかなか笑えません。男の金と色への飽くなき欲望や女の残酷さが、やり過ぎと思えるほど、露わにされていて滑稽です。これ以外にロマン派イタリアオペラの優れた喜劇は知りません。…
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オペラの風景(78)ロマン派オペラ作曲家の意図〈上〉

喜劇 メロドラマ メルフェン、伝説 説話 神話 寓話 ロマン派オペラを35曲とりあげ、77回にわたって連載しました。モーツアルトやR・シュトラウスはロマン派とは普通言いませんが、ロマン派を論じる上で、数曲が私には必要ですから、取り上げます。 ロマン派オペラの定義は定かではありません。私は、人の幻想能力を極度に発…
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オペラの風景(77)「神々の黄昏」(下)4DVDの比較から

                      序幕のノルン 苦心して育ったジーグフリートが、英雄らしい働きをしないうちに、ブリュンヒルデとの痴話喧嘩の鬱憤で、弱点を漏らされ、殺されます。3夜かけて見た理由の結論がこれかと疑うなか、英雄の葬送行進曲が流れます。 改めてジーグフリードの仕事を思い起こすと、 1)黄金の指輪が地球で流通に…
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オペラの風景(76)ニーベルグの指輪第3夜「神々の黄昏」上

   ジーグフリートの出発  ワーグナーはドラマが、極端に変化する政治上、哲学上の信念の表現のために役立つと言わんばかりに、この終結部は繰り返し変更を重ねたので、多くの人を惑わせたそうですが、劇作家としてのワーグナーを最も信頼したC・ダールハウスの解説に基づいて、全体の流れを追います。 ここは4部作の総括であるのに、前の行きがかりが…
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オペラの風景(75)ニーベルングの指輪第2夜「ジーグフリード下」「愛」の2重唱は英雄の変質

                   ファフナー 指輪にワーグナーが関わったのは1849~76年です。この時期は政治的に無風ではなかったから、政治的寓意をもつ、このオペラは内容が政治的状況に応じ、変化するのは当然でしょう。「ジーグフリート」制作の頃に大きな変化がおこたんのは多く指摘さ…
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オペラの風景(74)ニーベルングの指輪「ジーグフリード」(上)英雄の登場

                        ブリュンヒルデと 第二夜は英雄誕生です。原語は”Der Ring des Nibelungen” だからニーベルンゲンの指輪などと訳されることもありますが、所有格だから日本語はニーベルングの指輪が正しいと考えます。単数の「ニーベルング」は侏儒(小人)で、地下で働く人人です。(ニーベルン…
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オペラの風景(73)ニーベルングの指輪・・・[ワルキューレ]下(寓意は政治的)

   剣の抜けないジーグムンド [指輪」の寓意が政治的なものというのは、1970~80年台に流行った説で、ブーレーズ指揮シロー演出の「指輪」(1976~1980、バイロイト)などが代表的傑作だそうです。本ではバーナード・ショウの「完全なるワーグナー主義者」(高橋訳、1898年、新書館刊)が入手可能な好著です。 1990年頃の…
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オペラの風景(72)ニーベルングの指輪・「ワルキューレ」上

            ブリュンヒルデの眠り (10年8月21日NHKHiで「ワルキューレ」の生中継があるそうです) 人間は地上にいなかったのではありません。彼らは野生動物と一緒に、苦しい生活をしていました。第1夜の幕があくと、序夜とは全く違う世界が顔をだします。序夜と第1夜との間に何が起こったでしょうか。それは第一幕の始めにジーグ…
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オペラの風景(71)ニーベルングの指輪・「ラインの黄金」下

寓話(アレゴリー)は「魔笛」や「影のない女」で数回議論してきました。このオペラも「寓話」だとの説がバーナード・ショウによって綿密に展開され著作となっています。大変に魅力的な論議です。今回は「寓話」の「寓意」を説明するのが本意です。よいオペラで、寓意がある作品は大変難しく、童話の傑作より困難でしょう。寓意は長いオペラ全体を引き締めますが、…
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オペラの風景(70)ニーベルングの指輪・「ラインの黄金」(上)

         ヴォータンと妻フリッカ 第ニ場は「ライン河畔の山の上の空地」で、神々の城ワルハラが巨人族の力で完成、巨人族の代表が代償の請求に現れる。労働の代償はヴォータンの妻フリッカの妹フライアを渡すこと。ヴォータンは契約を真面目に考えたことはなく、火の神ローゲの雄弁でごまかすつもりであった。しかし妻フリッカは法の番人で、この態度…
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オペラの風景[69]「影のない女」小説からオペラを読む[下]

        第3幕妃と帝 オペラ第3幕は霊界での出来事です。霊界オペラの有名な例は「ファウスト」に関連したオペラです。しかし「ファウスト」第一部をオペラ化した作品は多いけれど、第二部の霊界は殆んどオペラ化されていません。(例外はシューマンのオラトリオ「ファウストからの情景」です。 小説第7章はこんなイン…
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オペラの風景(68)「影のない女」小説からオペラを読む[中]

      王妃 第4場でオペラと小説とでは少し違いがでてきました。女房の浮気相手が人間か、精霊かの違いで、女房ののめりこみ方が違ったようです。アレゴリー型式の小説では登場人物は抽象的概念です。オペラでの男も人間と定義されていません。小説では精霊だと妃が気づいたことが書かれていて、それ以後、女房は妃を邪魔者扱いします。女房が官能にのめ…
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オペラの風景(67)「影のない女」小説からオペラを読む[上]

               2010新国立2幕            ロマン派オペラには原典があります。「影のない女」には珍しく、原典はありません。台本作者フーゴ・ホフマンシュタール(1874~1929)は博覧狂気で多数の本から原典をつくり、それらからオペラ台本「影のない女」と、小説「影のない女」を発表しました。彼は天才的詩人、小説…
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オペラの風景(66)「影のない女」抽象概念が主役

                  夢の場面 ロマン派オペラの原典を探って、理解を深めてきました。イタリアオペラの起源はギリシャ悲劇の再現にありましたからオペラが演劇か小説かと聞かれれば、演劇と思っていました。「影のない女」を調べていて「オペラを読む」(P・コンラッド)に出会ってから、オペラは演劇より小説に近いと思うようになりました。…
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オペラの風景(65)「影のない女」・・・魔笛の生れ代わり

霊界から来た女が皇后となり、影をえて人となるまでの話。 台本を書いたホフマンシュタールがR.シュトラウスに《「バラの騎士」は「フィガロの結婚」だったから今度は「魔笛」を作ろう》と言っています。「魔笛」はアレゴリーと言われています。抽象を具体化する技法がアレゴリーですから、アレゴリーでかかれた作品は字面どおりの理解では作品の本質にはたど…
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オペラの風景(64)「ゲーテのファウストからの情景」(2)霊界の音楽

ムンク《太陽》部分 シューマンのファウスト・二部に入ったとき、グレーティヘンは死んでしまったけれど、ファウストは生きていて、悪魔に「時間よとまれ」とまだ言っていませんから、自分の願っている時代、願っている場所に行く権利をもっています。そこでギリシャ神話の「美女へレン」と恋に落ちるたり、神聖ローマ帝国の財政に関与できました。ところが第二…
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オペラの風景(63)「ゲーテのファウストからの情景」愛による「救済」

                          ドラクロアのファウスト 死んだ後、霊になったら天国へいきたい、とは19世紀なら未だ多くの人が日頃考えていたでしょう。最後の審判で神の裁きを受ける際地上でやった神を侮辱する行為は何とか目を瞑って欲しい。そのためには大抵の人は《救済》される事柄が欲しい。何をやったら《救済》の対象になるか…
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オペラの風景(62)「聖女ゲノフェーファ」(シューマン)の官能

            ゲノフェーファ 「夫ジーグフリードが十字軍に参加した留守に新妻ゲノフェーファは「不倫をした」と風説を流され、いたぶられ、処刑寸前の祈りで、虚言とわかり、聖女と讃えられるた」これがシューマン唯一(他に未完の「海賊船」がある)のオペラだったのは余り知られていません。ピアノ曲で名声を残すシューマン(1810~18…
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オペラの風景(61)魔笛のDVD(3)名演・名演出

8)チューリッヒ歌劇場07 チューリヒ歌劇場管弦楽団&合唱団  ニコラウス・アーノンクール(指揮)  演出:マルティン・クシェイ  マッティ・サルミネン(ザラストロ)  クリストフ・シュトレール(タミーノ)  ユリア・クライター(パミーナ)  エレナ・モシュク(夜の女王)  ルーベン・ドローレ(パパゲーノ)  エーファ…
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オペラの風景(59)「魔笛」のDVD(1)

「魔笛」のDVDは余りにも種類が多い。単に数が多いだけなら、「椿姫」などもっと多いものもありますが、演出家や指揮者のいいたい事がそれぞれ違う、と思わざるを得ないものが、あるので、数の多さが目立ちます。 大きくわけると童話的なもの、ザラストラの信仰を支持するもの、そして人間くささを強調したものの3つです。 代表的なDVDで手元にあるも…
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オペラの風景(58)「魔笛」権力者の隠微な欲情

                          ザラストラ  魔笛」でモーツアルトは何を書きたかったのか、150年もたったのに、まだ色々な考えがでます。1番簡単なのは童話オペラ、最も多いのは程度の差こそあれ、フリーメーソン的な解釈で演ぜられるもの、入信者は善行のみを企み、よりよい世界の実現を目指していて、第ニ幕においてこの…
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オペラの風景(57)「魔笛」原作と好色坊主

                          ザラストラ 「魔笛」には矛盾が多いと言われます。確かに第一幕と第ニ幕も間に「断層」があります。わけが色々な話の継ぎはぎだからでしょう、確かに原作といえるものが、二つわかっています。それらを紹介しながら、登場人物が「魔笛」のそれを連想させる場合は(  )内に示します。 第一の原作…
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オペラの風景(55)「フィエラブラス」シューベルトのジング・シュピール

                    シューベルトのオペラ イタリア・オペラの発祥がギリシャ悲劇の再現に起因し、歌うように喋る、レシタチーボがそこでは大事な役をするのは有名ですが、大分後刻のフランス・オペラの発生は劇が中心で、バレーが絡む独特の発達を見せ、ドイツ・オペラは更に遅れて、台詞中心から音楽が絡む全く違った展開をしま…
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オペラの風景(54)「フィエラブラス」シューベルトの騎士道オペラ

「アルフォンソとエストレッラ」の台本はショーバーという人が書いたと、ありますが、その台本が何を原作としたか、調べてもわかりません。私がブログを書いている動機の一つが、ロマン派オペラがいつの時代の原作を使っているか、調べて、紹介することにありますから、「アルフォンソとエストレッラ」は不満な随筆でした。 シューベルトのもう一つの有…
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オペラの風景(53)「アルフォンソとエストレッラ」シューベルトの争いのオペラ

                                  円満解決 年代は西暦780年頃.場所はスペイン北西部の山の中。ムーア人(イスラム教徒)のアフリカからの侵入で、西ゴート人はこの地へ移動を余儀なくされました。少し開けた海の近くに人が集まり、首都オブビトができ、宮廷があります。そこで20年前政変があり、今のマウレガ…
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オペラの風景(52)「アルフォンソとエストレッラ」シューベルトの森のオペラ

             メイとトロスト ウエーバーが森のオペラ「魔弾の射手」を書いて、ベルリンで初演したのは1821年でした。原作は17世紀、ボヘミアの森での出来事で、魔法使いが現れる幻想的世界でした。 シューベルトが「アルフォンソとアストレッラ」を書いたのは1821~22年で、「魔弾の射手」で名声を得たウエーバーに総譜をみ…
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オペラの風景(51)「サムソンとダリラ」旧約聖書が原作のオペラ

                      サムソンの怪力 ロマン派オペラの台本は神話、伝説、戯曲、小説などが原作です。ところが「サムソンとダリラ」(サンサーンス作曲)は旧約聖書からです。聖書が原作なら、「カンタータ」や「オラトリオ」などと呼ばれるのが普通ですが、これらと「オペラ」とが音楽的にどう違うか、私でも聴けば〈これはオペラ…
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オペラの風景(50)「メフィストフェーレス」ボーイドのファウストは救われた?

                     ファウストの三人主役 〈神話とロマン派オペラ〉原作に神話が使われた例は沢山あります。ワーグナーの原作は大抵北欧神話ですし、ギリシャ・ローマ神話、旧約聖書や中世の伝説が使われたオペラも多くあります。ロマン派が作曲家の幻想を大事にしたので、幻想の種になるものが神話には多く含まれていたのからでし…
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