シューマン(3)チェロ協奏曲イ短調op.123

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このチェロ曲は1850年の作,死は1856年46歳、晩年もいいところで,しかも唯一のチェロ曲です。この曲には「オーケストラ伴奏をともなうチェロのためのコンチェルトシュチュック」というシューマン自身の別名をついています。
「これは妻クララも愛した「快活な作品」」と彼が言ったそうですが、生前の公演はありません。

古典派にはハイドン、ボッケリーニの有名なセロ・コンチェルトがあり、今も演奏会のレパートリ―に乗っています。ベートーヴェンには5曲のチェロソナタはありますが、チェロ協奏曲はなく、トリプルコンチェルトソロとしてチェロが入っているに過ぎません。シューベルトにはチェロの代わりにアルペジオーネを使ったソナタがあるだけです。彼のあとサンサーンスやラロがチェロ協奏曲を書いていますし、ドボルザークのチェロ協奏曲は最大の人気作品です。こうしてみるとシューマンのチェロ協奏曲がロマン派に初めて登場したセロ協奏曲であり、如何に独創的だったかに気がつきます。

しかしセロが大好きな私でもシューマンのこの曲を演奏会で聞いた記憶はありません。聞いたのは録音だけ。LPの時代カザルスの演奏したものを持っていますが、他のLPの存在は不明でした。しかし最近買った10枚組個人CD集から推察すると、フルニエ,シャフランにもLPがあったようです。ふたりの演奏も名演で特に、フルニエのものはこの曲の一方を担う名演奏ですが、他方は近時録音された名演奏のCDはグートマンの演奏です。彼女がルッツェルン音楽祭で毎年アバードの指揮のオケでセロの一員となっているのは、前に触れたと思いますが、このCDではグートマンはアバード指揮ヨーロッパ室内オケと共演しており、曲の深みを十全に表現しています。他のCDではモルクのものが手元にあります。

この曲は、シューマンがデユッセルドルフに赴任し、そこで市のオケや合唱団の指導をした時期の最初の大作だそうで、「快活な作品」と先にいいましたが、チェロの憂愁にも満ちた楽想も聞き逃せません。ピアノ協奏曲イ短調のセロ盤と言えるないほど力強くもある曲ですが、セロの表情にも富んでいて、しかもロマンチックな曲ともいえます。これはカザルスを聞いた時に驚いたのですが、CDになって、フルにエやシャフランにも感じられます。グートマンでは録音の良く、深みのある曲に聞こえてきます。{快活な作品」とはいいきれない音が聞こえます。50年の54年に作曲、54年にラインに身を投げ、助けられたものの、56年に死ぬ前の白鳥の歌のように聞こえるのは私だけでしょうか。
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