ヘンデル(22)オラトリオ「サムソン」(H48)

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               サムソンとデリラ
[救世主]で大当りをしたヘンデルがその直後に書いた作品で、これも大人気でした。サムソンが盲目の力もち。恋人ダリラが妖艶な美人ということで話が有名なこともありますが、音楽も大変良いので有名になりました。
そもそも、サムソンは神の指示で生まれたイスラエル人の士師です。しかしヘンデルの作品ではもう既に盲目にされ、ペリシテ人の牢獄に捕らえられています。
第一部はタゴン祭で浮かれるペリシテ人、それを苦々しく思う獄中のサムソンではじまります。盲目になったサムソが歌うアリア「太陽も月も星も私には闇だ」。このアリアは知的です。父マノアはこの姿をみて胸をいためます。
第2部は妻であった(とされる)美女デリラが侍女たちを連れて現われ、復縁をせまります。独り身がさびしいというのです。彼女は繰り返し、訴えます。サムソンはデリラを許しません。
次にペリして人の悪漢ファラファがきて悪漢らしく意地悪いやりとりをします。
第3部はサムソンの祈りが神にとどき、再び力を得ました。髪の毛が伸びてきたせいです。彼は力を発揮し神殿を壊すシーンは壮絶。
その後ミカとマノアがきて事の次第を報告、亡くなったサムソンをとむらう葬送行進曲が流れ,イスラエルの人達が英雄を痛みうたいます。
アーノンクールによると初版はここでおわっています。ところがこのバージョンは公演されなかったそうです。というのはメサイアの成功で大勢の歌手としりあい、そのなかにスザンナ・マリア・シバーがいて彼女がサムソンを歌ったのでそのたみにヘンデルは追加しました。以後いろいろなサムソンが現れることになります。デリラのセリフを変更しさえしたのです。その一つを例にあげると「サムソンはその生も死を英雄的だった」とマノアがいい「最後までサムソンを見捨てなかった我らの神を賛美しよう」とミカが言うに及んで一機にオラトリは原作と違った明るいフィナーレとなります。
ヘンデルは劇場型作曲家であるのを示す話です。
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               作曲当時のヘンデル

サムソンは旧約聖書の士師記13~16章にありますが、オラトリオはこれをミルトンが編集したものです。オラトリオ以前の士師記の話を付け加えると、イスラエルがペリシテ人に押さえつけられていた頃ダン族の男マノアの妻に主の使いが現われ不妊の彼女に子供がさずけるという。その子は誕生以前からナジル人(神に使えるもの)であるため、強い飲み物を避ける、汚れたものを避ける、髪にカミソリをあてない、の3条件を守るように示された。サムソンは20年間士師としてイスラエルを裁きました。その後ソレクの谷に住むデリラという女性を愛するようになったため、ペリシテ人はデリラを利用してサムソンの力」の秘密を探ろうとした。サムソンはなかなか秘密を教えなかったがとう頭にカミソリをあててはいけないという秘密を話してしいます。デリラの密告でサムソンは頭をそられて力を失い、ペリシテ人の手に落ちた。彼は目をえぐり出され、サムソンはガザの牢で粉をひかされるようになった。ペリシテ人は集まって神タゴンに感謝し、サムソンを見せものにしていた。しかし神に祈って力を取り戻し、つながれていた二本の柱を倒して建物を崩壊させ多くのペリシテ人を道連れにして死んだ(上記ヘンデルのフィナーレ)
「サムソン」は「エフタ」のようにキリスト教徒の中では有名な士師記からとった話ですからオラトリオにしやすかったでしょう。もっとも当時はセリフの載ったパンフが会場で配られたそうですが。
アーノンクールの演奏は1992年ムジークフェラインで録音されたものだそうです。
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                   アーノンクールCDの表紙

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