ヘンデル(10)ラルゴの「セルセ」(H36)

画像
ヘンデルのラルゴはオンブラ・フのなでもでも有名ですが、それはこのオペラの冒頭に使われています。曲調の落ち着いた感じとは違って、このオペラは喜劇です。ボタンの掛け違いから、「王様が弟の恋人に恋いをしてしまい、解決に手間暇かけてしまう話です」。
1938年の作、この頃オペラ人気の低迷にヘンデルはオラトリオの制作に熱意を抱き始めました。残るオペラは1740年の「デイダミア」だけです。これが当時流行り始めたコミッシュ・オペラではなくオペラ・セリアであるのは確かです。
紀元前465年頃、ペルシャの大王クセルクセス1世の話です。
オペラの中に実話がある紀元前480年頃ギリシャ攻撃のさい作ったヘレスポントス海峡の船橋の話が出てきますからこの頃の出来事であるのは確かでまた王の性強情取されています。旧約聖書の「エステル記」に登場するペルシャ王アハシュロスは彼を指すといわれています。実在性を暗示しながら歴史と無関係な作品をつくった不人気なヘンデルの足掻きが見て取れ興味がもてます。しかし筋は簡明です。

セルセは(メゾ)アマトスという婚約者がいるのに弟のアルサメーネ(メゾ)と相思相愛のロミルダ(ソプラノ)に横恋慕する。彼女の妹アタランタ(ソプラノ)は密かにアルサメーネをしたっていて、王が姉と結ばれれば分け前が自分に来ると期待している。筋は紛糾し、姉妹の父親アリオダーテ(バス)が姉とアルサメーネオを結婚させてしまったところへ王が表れ、弟に新妻を殺せtp迫るが、アルサメーネは返って兄を殺そうと刷る.変装した王の婚約者アマストレが剣を取り上げ自ら胸をさそうとするので王は悔い改めアマストレに対する愛情を取り戻し、弟の結婚も祝福する。
第一幕冒頭でセルセが鈴懸の木陰をたたえて歌うラルゲットが「ヘンデルのラルゴ」として親しまれています。
画像


この話がオペラになるほど錯雑しているのは2幕があるからでしょう。そこではこんな話がはいりこみます。市内の広場でアマストレ(王のかっての恋人)、花売りに変装してエルビーロ(従僕)に話をきき、王がロミルダと結婚しようとしていることをしる。アタランタ(妹)が登場し従僕からアルサメーナの手紙をうけとり策略を図る。それはこれを王にみせロミルダではなく私が受け取ったふりをすることである。これでセルセをロミルダが愛するようになる根拠とする。王はこれをロミルダにみせアルサメーサの愛が妹に移ったという。これは嘘だとロミルドいう。
アマストレは自殺を図り、止められる。
ヘレスポンド海峡に架かる橋の落成式、いきあがるセルセ。弟アルサメーサのロミルダへの愛がかくにんされ、ロミルダのアルサメーサへの愛も宣言される。
アマストレは変装していて、王のために負傷したとのべ緊張感がはしる。その前で王はロミルダに求愛する。そこへアマストレがっ割ってはいり、衛兵に逮捕されるが、ロミルダの助力で助かる。

画像
この筋で話は複雑になり、十分オペラの題材になります。この頃ヘンデルオペラはいきつまり廃絶の寸前にありました。オラトリオ人気に湧いたのです。結果としてこれも失敗、しかし失敗作ではなく20世紀煮なって蘇り、1985年にはグラインドボーン音楽祭での上演は高く評価されました。
オラトリオの題材は本来宗教曲ですが、ヘンデルは意味を拡張し、ギリシャ神話さえ含むよう解釈し、成功しています(例セメレ)。「セオドーラ」もペルシャとギリシャの歴史ものですが、オラトリオの題材としてもおかしくありません。あえてオペラとしたのは2幕があるからでしょう。
「セスト」はコメデイです。前の3作が名作オルランドを台本とするならこれは昔話ていどです、セルセはコメデイて的ですが、王の恋愛といい、コメデイ・タッチの役が各所にでてきて面白く見られるのですが、人気はなく、この後1曲「デイダミア」を書いて、ヘンデルはイタリアオペラを擱筆しました。「セルセ」のLDは1枚しかでていません。イギリス国立オペラのマッケラス指揮のものですが、コミカルな演奏にはなっておらず不満です。もっと原曲に適した演奏がある筈です。これを名曲としている成書はおおいのですから。「例オペラの誕生、戸口幸男)

"ヘンデル(10)ラルゴの「セルセ」(H36)" へのコメントを書く

お名前
メールアドレス
ホームページアドレス
コメント