ガイヤの治療1(たかが新聞紙、されど新聞紙)

人はガイアの一部だから、人がガイアの理にあった行動をすればガイアの健康は取り戻せるはずですが、蛸が自らの足を食って命をつないでいるような、現況ですから、行動は安易なものではないはずです。科学の面で現況の修復が可能か、新聞紙を例に調べてみます。

新聞紙は文明の代表の一つと上げられます。新聞紙がどんなに自然を破壊しているか、余り知られていません。また自然の復元に寄与しているかも知られていません。その現況を紹介します。

新聞紙を含む製紙産業は他の産業、例えば化学や製薬よりなどと比べ、格別違ってはいないのです。工程は原料収集、加工、廃棄物処理で、規模も10兆円程度で似ています。目だった違いは人の環境をつくる木を使うことでしょう。そこで環境破壊が起こりますが、樹木の一部しか使いませんから、廃棄物が沢山でます。もう一つの目立つ違いは木を使うのは環境破壊だけれど、人が植えれば木はまた育つことです。再生可能と呼びますが、他の産業ではこうはいきません。
こんな特色から、日本では輸出入の自由化が早かったこともあって、他産業より早く、環境問題に遭遇し、対策を講じてきました。だから環境問題先進産業といえます。技術的には今のエレクトロニックスを先端産業とすると、後端産業と呼べるほどです。そこで技術的問題の理解が簡単であり、「工業と環境問題」のかかわりを取り上げるには相応しい対象と考えました。

さてはじめにいっておきますと、新聞紙産業では公害対策は完璧に行われ、環境問題で話題のリサイクルも100%実施され、温暖化ガス吸収の植林にも十分に注意が払われています。
少し技術的な説明をします。
新聞紙の現状はこうです
新鋭の新聞紙製造機械をつかうと、現在幅9メートルの紙を毎分1200㍍の速度で作っています。
新聞紙からの新聞制作も見事に効率化されています。日本全体で毎日1万トンの紙を使い、刷版から印刷、巻き取り、切断まで機械化が進んでいて、超高速で処理されています。
現在の新聞紙に関するデータです。(表1)

表1 新聞紙生産の現況(1日分)

印刷の早さ  毎分1200メートル(時速では72キロ)
印刷面積   9メートル幅で2555キロメートル
時間     印刷4時間、配達3時間
生産量    毎日1万トン
原料パルプ  古紙5千トン、TMP4千トン、KP千トン
裂断長    15000メートル
生産木材   最高の森5万8千4百ha(584平方㌔)

       
印刷面積は日本の現況では1日、9m幅で長さは2555kmにもなり、東京―北京間の距離です。家庭に配送される新聞紙は1軒200グラム、4500万軒が対象となっています。印刷に4時間、配達に3時間、この組織化された仕事が毎日休みなく繰り替えされていて、日本独特の文化といえるでしょう。
印刷の早さは1分1200メートル(これは時速70キロ)。そのため紙は引張られても絶対破れないよう強くできています。やぶれない目安には上から垂らしたとき自分の重さで破れるまでの長さがあり、新聞紙は15000メートルから垂らしても切れません。
日本では紙を毎年3000万トン使いますが、その内350万トンが新聞紙です。これほど同一品質の製品が多量に消費される例はありません。新聞紙(生産、印刷、配達、古紙回収システム)関連産業は日本独自の文化と言えましょう。
紙はパルプから作りますが、パルプは森の木から作るのが普通ですが、今新聞紙用のパルプの半分は回収した古紙からのものです。

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