ガイアの治療(2)(新聞は環境破壊に寄与している)

新聞紙が木の生長の範囲で作られれば環境破壊はありませんが、木の生長量はどれくらいでしょうか。
A 森が育つ
Ⅰ)森の蓄積
1)木の生長は空気中の炭酸ガス固定で起こります。木は大地からミネラルと窒素を含む水を吸い上げ、葉で空気中の炭酸ガスを吸い、太陽光をエネルギーとして、ブドウ糖をつくる、これが木です。他方木は体の一部を使って呼吸しています。つまり炭酸ガスも出します。両者の差が木の生長(純生産と呼ぶ)とよぶものです。
生産と呼吸の差は若い木ほど大きい。若い木ほど生産に対する呼吸の割合が少ない。呼吸で使う分が若い木では生長分の50%以下ですが、成熟した森林では70%を超えます。だから若い木が純生産量大です。
2)平均的な木の純生産は木の種類や木がある場所で違っていて、次のように考えられています。単位は1年当たり、1ヘクタールあたりのトン数です。(表2) 表2  1年の森林の総生産量(トン/ヘクタール)

亜寒帯針葉樹(エゾマツ、トドマツ)     11
温帯落葉広葉樹(ナラ、クヌギ)        9
照葉樹(カシ、シイ)            21
熱帯雨林               25~30
製紙用人口造林(ユーカリ)         30

これが一年あたりの純生産量、つまり、森が集める炭酸ガスの量に等しく、地球温暖化防止への貢献量にあたります。
木は枝や根、幹などがあり、1ヘクタールの林が400トン木として蓄積されているとしますと地上部は300トン、根は100トン。地上部の9割が幹とすると、270トン。樹皮が1割なら、木質部は243トンとなります。(表3)
表3 樹木の部位別重量(トン/ヘクタール)60年スギ

林全体                  400
    地上部              300
        幹            270
           木質        243
           樹皮         27
    地下部              100
(その他に枝葉は6~9トン/ヘクタールある)
 
利用可能な木質部は材積で表示
材積243÷0,4=607,5立方メートル


2)森の木の種類や森がある場所によって、年間生長量が違います。スギとラジアータマツの効率の違いは木の種類のほか、気温や雨量も影響しています。日本の森ではスギ、ヒノキだけが用材を目的に作られ、広葉樹でもパルプ目的に作られている林はありません。一応利用できる広葉樹林で、年率10立方メートルとされています。日本の全森林を対象とした場合は年率4,5立方㍍程度の評価です。
山岳が厳しく、機械的な搬出が難しいという問題を度外視しても日本の森の生長は、温暖多湿な土地であってもオーストラリアのラジアータ松と比べ、悪いといえます。
本格的なパルプ生産を目的とした植林の木では最もいい場合まっすぐな木がヘクタール辺り50立方㍍生長します。
さて新聞紙の話にもどります。新聞紙用に1日10000トンの紙を使うといいました。その半分が古紙で、残りを毎日木からつくります。木からパルプを作る方法は次に説明しますが、100%の効率で木から紙はできません。5000万トンの紙は5000万トンの木からできません。今できると仮定します。比重0,5の木なら、10000立方メートル。一番効率がいい、1㌶当り年50立方㍍生長する植林地を使うとどれほど林がいるでしょうか。50÷365が一日の生長量ですから10000÷50×365=73000㌶です。平方キロメートルに直すと730平方キロメートルです。県のレベルの面積(東京都2156平方キロメートル)です。こんな面積の森がないと生長量と使用量の釣り合いが取れません。
仮想といえる条件でも、新聞紙の必要量と木の生長量との関係は、環境との調和とは程遠い状態にああるのをしめしています。s即ち新聞紙は環境破壊なしにはできません。

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