ヘンデル(9)「アルチーナ」(H35)

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アリオスト原作の第3作は「アルチーナ」で同じく1735年の作で、アルチーナは女魔法使の名です。前回書いたように「魔法おぺらです。「魔法オペラ」の多くは場面の急展開で見る楽しみを味わわせ、バロックオペラの機械敵楽しさを強めるものです。ところがこれは魔法使いの役割が違います。アルチーナは魔法で男を魅了し、飽きたら動物や植物に変えて目先から消し新しい男を求めるのを生きがいとしていますが、このオペラでは男の一人に入れこんでしまい、逆に男の方に秋風が立ち、どのおかげで魔法の力が徐々に落ちるという言わばコメデイとして描かれています。これは(狂ったオルランド」の第3作です。「
狂ったオルランドの第6歌と第7歌からで、主役のルッジェーロが目的地へ行く途中邪魔をしたアルチーナの情欲の虜になった話をまとめてたもで1735年の作、王や女王の出席もあって18回演奏されヘンデルオペラ最後の人気作です。
アルチーナ;女魔法使い
モルガーナ;アルチーナの妹
ルッジェーロ;騎士
ブラダマンテ;その許婚者
メリッツ;彼女の後見人
オロンテ;アルチーナの家臣
オベルト
アルチーナは後から後から男を代え飽きると自然の岩や木や野獣に変えて楽しんでいる。今の相手はルッジェーロである。もう過去のことは忘れているが、彼の許婚者ブラダマンテがその後見人メリッソと島につき魔法使いの妹モルガーナと会う。彼女は男装していたブラダマンテに熱を上げる。
島にいたもう一組のオベルトと父のアストルファアは父が姿を代えられたのを息子オベルトか探している。
第一幕  アルチーナの家臣オロンテはモルガーナに恋をしている。オロンテはルッジェーロにアルチーナの過去の恋人の運命を教えるが、彼は自分は例外と決め込む。ルッジェーロはアルチーナが変装したブラダマンテに気をひかれるのを恐れ、彼の姿を変えてしまうのをアルチーナに勧める。彼は変装した恋人に嫉妬しているのである。アルチーナもこの嫉妬に苦しむ。このあとアルチーナはルジェーロに以前のような愛をもとめ、ガボット、サラバント、メヌエットが踊られる。
これは下記のdvdでは宮殿の一室のでkごとになっているが、台本は洞窟の出来事でその山は割れアルチーナの宮殿が現れる。ここで魔術の世界だということが示される。
第2幕  メリッソはルッジェーロの克っての後見人に扮し、かれの指に魔法を解く指輪をはめながら、この島の本当の姿を魔法の指輪を使いみせる。オロンテも現れ、父の不在を訴え、アルチーナに慰められる。ルッジェーロは少しづつ魔法がとかれ、アルチーナの許しをもらい、島の探検にで,ブラダマンテのことを思いだし、二人でアルチーナを負かす策略をねる。それを盗みきいたモルガーナは姉のもとに急報する。アルチーナは霊たちを呼び集め、ルッジェーロの逃亡を阻止しようとするが霊はいうことをきかない。魔力が消えたのである。アルチーナが立ち去ると、霊はダンスを踊る。
愛の強さを解くには魔法しかない、という「オルランド」での狂気といい、愛の強さをこの幕は示しています。この事実を示すのがヘンデルの本意で他の筋書きでの異様さはこの理念の表現には妨げとなりません。この点アリオスと3部作に共通するとことで、人気がなかったのは不思議なくらいです。
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第3幕
オロンテはモルガーナに自分への関心を仕向ける。アルチーナはルッジェーロの関心を引くよう努める。オロンテは戦士の無力化をアルチーナに訴える。アルチーナはオベルトの槍を与え、ライオンを殺すよう命ずるがライオンの従順な様子に槍が使えない。ルジェーロはオロンテに槍と自由を与え、味方につける。ルッジェーロは魔法の根源がツボにあることを知り、これを壊す。二人の姿は消え、野獣たちや自然も元の姿にもどり、アルチーナからの解放をよろこぶ。

貴族オペラに対抗するオペラとしてヘンデルは英雄物ではなく,フランスオペラの影響をうけたファンタジ^-を選んだ。いろいろ配慮された傑作であるにも関わらず、王室の援助もあったのに、うけなかった。多分ヘンデル側にスターがいなかったしであろう。貴族オペラのファルネッリに対抗するカステイ―ニは予定通りの力を発揮せずヘンデルに反抗した。ヘンデルが怒って「何がお前にあっているかは お前より私の方がよくしっている」と一流歌手相手には口にできないような言葉をはいたという。カステーニはこのシーズンを最後にロンドンを去った。

最近出たCDをきくと、クリステイ―ナ・シェファーの名演「アルチーナ」であるが、このオペラの要点の魅力がよくわかります。シェファーは現代最高のソプラノですが、バロックオペラ歌手ではありません。そろそろDVDも出始め、オペラの実演がみられます。(ウイーン国立歌劇場;ハルテロス、カサロバら、ミンコフスキー指揮ルーブル音楽隊2010)
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ハッカー指揮シュトットガルト国立オペラのdvdはアルチーナが美貌で、プロポーションがいいキャサリーン・ネイグランドがやっています。このオペラもシーザー同様一つの装置でえんじていますので、魔術にかかった風景,や動物が登場せず魔法もないので心理劇の様相を示します。フランスの影響を受けた舞踏もありません。ヘンデル作曲時の意図は無視され、現代受けするものになっていて、全体的には作風とは合っていない気がしました。最近新しい演出のdvdが出る予定で期待しています。 『アルチーナ』全曲 カーティス&イル・コンプレッソ・バロッコ、ディドナート、ゴー

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