イナワラと木粉と放射性物質

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放射能汚染の肉を生んだの残りのイナワラの話です。うまり、糞として出たもの、牛が食べなかったイナワラの話です。
イナワラは勿論稲の軸。稔る稲を支える茎です。稲の国日本では実をとった残差として様々に使われてきました。牛に食べさせたのもその一つです。藁ぶき屋根も昔は大事な用途でした。
牛はイナワラだけで生きるのではなく、彼らの主たる食べ物は栄養豊富な粗飼料と呼ばれるもので、近頃はトウモロコシが中心です。これだけではアミノ酸が偏るから他にも加えています。イナワラは現在は、味を増すためとされているようです。
稲刈は余りにも有名ですが、幹である藁が残り、稲は昔は手でかりとり、藁を木の枠に干して乾かすのが、農家の大変な仕事でしたが、コンバインが出来てからは機械で刈り取られ、短く裁断され、田んぼの隅にうず高く積み上げられました。短いので、長い藁を前提とした旧来の用途は消え、短いのが前提の新規用途開発が行われました。畜舎に敷いてやるのなど、農村内での処理でしたから普及しましたし、畳の中芯にも多く使われました。昔から藁は比較的腐りやすいから、糞尿と混ぜて有用な堆肥になっていたのは有名です。
その長い藁は安く、便利原料でいたが、コンバインが普及し長い藁の入手が困難になり、短い藁が普及しました。農村からでる有用な資源としての不動の地位がありました。しかしそれさえ地位を木粉にとってかわられました。
畜舎に木粉が使われ始めたのです。藁が蓄糞とまざったものは比較的腐りやすく、汚れて使用済みになったものが畑にまかれても、害は少なかったのですが、木粉は腐り難く、3年は原型をとどめると言われたほどでした。
わらが新鮮なときには水を吸収しやすいけれど、古くなると腐りやすい、ぐだぐだになれば放射性物は土の中に染みこんでしまいます、深く深く。木粉はあたらしいときは水を吸収しやすいけれど、腐り難ので保水性は持続します。水の中の放射性物質は土の上でもそのまま木粉のなかにの残ります。、土へ染みこまない。

今度の事故で藁は専門業者が乾燥し、薄い絨毯状のものを作り、ロールのように巻いて出荷されていると報道されましたが、これは20年以上前、豪州からマッシュルーム栽培用の輸入品をみたことがあり、あれは小麦でしたが、米藁と置き換えたのでしょう。藁が主目的の場合にはこんな手数をかけても採算がとれるでしょうが、数値は手元にありませんが、こんな方法は藁のごく一部でしょう。大半の藁は単なる廃棄が目的で、この場合にはコンバインで刈り取った短い藁が便利で、畜舎経由で畑にまかれているのが、20年前頃の状況でした。コンバイン経由で畜舎にかれている藁が多く。それらは放射能いりで畜舎に敷いた藁となり、それが汚染すると畑にまかれるから、それが、畑の土から野菜にすわれる日がくる可能性があり、そう思うと何が起こるか、ぞっとします。
藁の代用が木粉であるのは先に述べましたが、事情は同じです。木粉できのこを栽培しているのはみなさんご存じの通りですが、木粉はわざわざつくることは殆どなく、製材の廃棄物です。きのこ栽培用に特別なものがありません。藁ほどではないにしても木粉も水を吸います。雨にぬれるのは日常茶飯事です。きのこ栽培に使われるものは、ともかく、通常の木粉は管理がずさんで、藁の代替え材として畜舎にまかれ、一定期間をおいて畑に移されるのは現状です。腐り難く、しかも管理がずさんな木粉のことですから、イナワラに比べ長い間、腐らず、その分だけ長く雨に濡れ,乾くの、給水、排水を繰り変えし、放射性物質をイナワラより野外の畑堆肥として表層に維持されるのです。これが野菜を育てます。野菜の中身により多くの放射性物質が蓄積していないと誰が確言できましょう。
イナワラに似ているからこそ、代用品として木粉が使われたことを思えば、似た吸湿性を持つと予想しても当然でしょう。木粉の管理に一層の注意が必要でしょう。
思えば福島原発は日本農業全体を相手に大変な戦いの挑んだものです。
(2011、08,13の朝日新聞によると新潟県の牛舎の糞から1kg当たり最高3760ベクレルの放射能が検出されたそうです。国の基準は400ベクレル,勿論藁からでしょう。消化しませんから。)
善本知孝〈元東京大学農学部教授、元財団法人自然農法国際研究センター研究所所長〉

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