ヘンデル(5)全盛期{タメルラーノ}(H31)

;ヘンデルのオペラはテンポの伸びちじみの少ないイン・テンポで演奏されることが多いのですが、この「タメルラーノ」はロマン派を思わせるイン・テンポでしか格調の高いものでした。彼のオペラでテナーが初めて主役に登場しました。私がみたのはバゼットを大テナードミンゴが歌ったものです。2008年マドリッドで行われたもので、ヘンデルは高音が支配するせいか、深い悲しみには出会わないのですが、この演奏は格別、毒を飲んでから歌う バゼットのアリアは圧巻でした。これを聞いてまだヘンデルが好きになれないのはオペラ好きとはいえないでしょう。

『タメルラーノ』全曲 ヴィック演出、マクリーシュ&マドリッド王立劇場、ドミンゴ、バチェッリ他(2008
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)(3DVD) 初演はテナーの代わりにポロジーニソプラノを使っている。
UK 輸入盤
発売日: 2009年05月02日

タメルラーノ〈タタールの皇帝〉アルトのカストラート               
バゼット〈トルコの皇帝〉テナー(初演はボロゾーニ、今回はドミンゴ)
アステリア(その娘,アンドロニコと恋愛中)ソプラノ(初演はクットーニ)
アンドロニコ(ギリシャの王子)アルトのカストラート
イレーネ(タメルラーノの婚約者)コントラアルト

大変いりくんだ筋です。表題はタメルラーノですが、バセットとアステリアが主役のようにふるまいます。
(第一幕)アンドロニコとアステリアがバセットの助命のためタメルラーノを訪れ、バゼットの助命をする。タメルラートはアステリアに恋をしてしまう。彼は提案をし、自分の婚約者イレーネをアンドロニコに渡すからアステリアを自分によこせ、という。これは目下バヤゼットに説得中の出来事だという。アステリアは父の命を助けるにはこれ以外に方法がない、と判断し、バゼットにアンドロニコの心変わり、をうったえ、タメルラーノの案を父にいう。 父は怒り、アンドロニコは心変わりを否定する。父はそれをタメラーノの前で言えという。アンドロニコはバゼットの命も絡むので躊躇する。婚約者イレーネが登場。しかしタメルラーノと会えない。侍女に紛れて、タメルラーノの前にでるよう助言する。
(第2幕)タメルラートはアステリアが結婚に同意したこと、そして父の同意なくとも結婚する、といい、これを聞いてアンドロニコは驚き、アンドロニコはその結婚に反対し、そのむねバゼットに知らせに行く。変装したイレーネが二人の婚約者の前にで、非難、タメルラートはイレーネを抱かないと宣言。彼は去る。女二人、アステリアは「やがて嫌われるようになる」と意味ありげに、イレーネにいう。バヤゼットは何としても結婚の阻止を誓い、アンドロニコは結婚が成立したら自殺すると宣言。
王座の前、タメルラートはアステリアに王座に上るよう勧めるが身を投げ出して、バヤゼットは阻止、タメルラートはバゼットを踏みつけて王座るに上るがアステリアは流石それはできず、別の方法で上がる。
イレーネとの結婚をアンドロニコにタメルラートは勧めるが、イレーネは変装のまま、彼に悪態をつく。バゼットは娘に復讐の念を忘れたかと詰問、彼女は短刀をタメルラートの前におき、王座をおりる。彼女は結婚の席での抱擁時にそれを使うつもりだったと述べる。これを聞いて、タメルラーノは二人を逮捕する。死を宣告する。これをきいてイレーネはアステリアを賞賛する。
〔第3幕〕牢獄内で父娘は毒薬を分かちあい、万一の場合の使用を誓う。タメルラートは冷静になり、再び求愛をアンドロニコに依頼。アンドロニコは恋敵であるのを宣言。彼女も愛が不変であるのをちかう。父親には死罪、娘は卑しい奴隷との結婚を命じアンドロニコにはこの処置の監視役をめいじる。アステリアに酌を命じたとき、彼女は毒薬を入れる。それをみてしまったイレーヌは杯をうばう。正体を明らかにするとタメルラーノはイレーヌの好意に感謝する。二人は和解する。
タメルラートは毒薬のはいった杯を父親か恋人に渡すようめいずる。それを聞いたアステリアは自ら毒を煽ろうとするgあアンドロニコに阻止される。バゼットは毒をのんであらわれ、タメルラートに向かいいう。バヤゼットは彼を呪い復讐の女神に頼んで、地獄に引きずりこんでやるという。そうすれば亡霊とかして彼をくるしめられる。バゼットにそうた娘はタメルラートがまだ残した願望があるのに気づく。それは彼女の死だけ。衛兵が彼女をみはる。アンドロニコも死を思うがタメルラートは哀れにおもい彼をアストリアを結婚させ、ビザンチウム領を統治させ自らはイレーヌと結婚することにする。生きんこった人々には長い夜が明け新しい日がはじまる。

タメルラーノは「ロデリンダ」、「ジュリアス・シーザー」と同じ時期に作曲された3大名曲です。舞台がトルコで主役がタタールの王様とギリシャの王子でいずれもカステラートが歌います。もうひとりの主役っがテナーdえす。最初に書いたのは10年も前ですが、本作は1724年の作です。時代設定は1402年のプルサ。第一幕で、敗者バゼットが鎖につながれ、勝者は自分勝手の申し込みをするが、劇の進行につれて平凡になり、バゼットの死を除くと極めて常識的な結論にんる、それがこのオペラの魅力であり、バゼットの最後のアリアを引きたたせる所以であろう。勝者が節度の範囲内にあるのはヘンデルオペラの魅力の一つであろうから。
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                           sp ボロゾーニ

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