ヘンデル(2)訪英.「リナルド」(H28)

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ヘンデルの初訪英は1710年です。英国での処女作は「リナルド」で、これを1711年に書きます。一度11年にドイツに帰りますが、再び訪英。彼の長いイギリス生活が始まります。
「リナルド」はタッスソ-の名作ですが、台本はコミカルです。それに華やかな舞台をねらっていて転換が頻繁です。英国での第1作、話の筋はこうです。
「リナルド」(登場人物) ゴッフレード(十字軍の総司令官)エウスタチーオ(総司令官の弟)  アルミレ―ナ〈彼の娘〉リナルド(十字軍の英雄〉魔法使い〈キリスト教の魔法使い)
 アルガンテ(サラセンの王) アルミーダ〈異教徒の魔法使い〉 )                 
 第一幕 騎士リナルドは恋人アルミレーナとの結婚を条件に十字軍に参加します。相手のサラセン王は3日の休戦をもうしで了解された。その間にサラセン王は情婦で魔女のアルミーダに協力を依頼。
第二場  魔女はリナルドをキリスト教軍からきりはすことをたくらむ。その為リナルドの腕からアルミーナを奪う。リナルドは彼女の後をおうが二人は消える、そこへエウスタチーオが現れ理由をきく。魔法にかかったとの申し出で彼は妖術の使用を勧める。
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第2幕  リナルドを小舟から誘惑する魔女の魅力にひかれてのる。アルミレーナは魔女の城につれてこられ、ここでサラセン王から求愛される。魔女アルミーダをリナルドは呼び出し、恋人の釈放をもとめる。魔女はリナルドをとらえたことをよろこびアルミーナに変身し、彼に求愛して失敗。変身したこの魔女にサラセン王が求愛して失敗。2人は怒って別れる。
第3幕はキリスト教の魔法使いが妖怪を打倒すため魔法の杖で門を鋭く叩くと山は消え、ゴフレードとリナルド二人は海の中に浮かぶ岩山の上にいた。岩山をおりるとアルミレーナは魔女に殺されそうになっていた。ゴッフレードが現れ、助け、杖を振ると、庭は消え城塞が現れる。サラセン王とアルミーダは仲直りする。リナルドが先頭に立ち、サラセン軍を破る。王とアルミーダはとらえられ、王は改宗する。リナルドとアルミレ―ナの二人は結婚に合意する。             
 こんな馬鹿げた話が大劇場でとりあげられたかと思う程ですが、これもイギリスでの大陸崇拝思想が背景で、イタリア・オペラに人気があり、イギリス在住の作曲家が作ったからでしょう。具体的には音楽より舞台の機械仕掛けの面白さが強調されるためのようで、この経験でこれから暫くヘンデルはオペラの営業的側面に遭遇します。つまりイギリスで受けるに何が必要か、学んだことでしょう。そうはいっても「リナルド」は駄作とは言い切れす、今も歌い続けられているアリアがおおくあります。「過酷な運命に涙し」「喜びにみちあふれたトランペットの音が」「絆としての面影も―――ああ憎い人」」など。ヘンデルの歌の上手さは天才的なものです。

1710年と1717年の間はヘンデルの居所がさだまりませんでした。彼のオペラは宮廷で歓迎されますが、それだけで食えるとは思わず、さまざまな経済的努力をしたようです。オペラを書くより、カンタータをかきつづけました。
それに君主が変わるという不幸がおきます。
1710年にイギリスへ行く前に、ドイツでハノーバー選帝侯の宮廷楽長になっていましたが、12年にイギリスに戻ったヘンデルは、之以後イギリス人になるように努め、パトロン探しに専念します。13年にはアン王女と接近、200ポンドの年金をもらいますが、王女は14年死去、後継者はなんとハノーバー候となりました。彼は過去の契約を年金の不払い分を受け取るという形で清算し、新たな年金をえ〈15年〉16年には南海会社から投資分500ポンドの支払い分を請求しています。この経済的に不安定な時代1707-1717)英国滞在第1期にイギリスで音楽を続ける上の知恵をえたのは確かです。バーリ-リン邸に住んだことも彼の社会的地位固めのためでしょう。
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               バーリントン邸
エピソードがあります。国王はハノーバー公で、この二人ならではの事件がおきたのです。名作「水上の音楽」が生まれました。今もヘンデルの作品といえばこれがあがるほどです。この音楽会は1717年7月17日にテームス川の上で行われた。国王の御座船には10人弱の乗船が許可されました。音楽船には50人ほど。企画は上手くいき、これが契機で二人の仲がなおったという逸話がありますが、作り話のようです。
これはアーノンクール指揮のCDが管楽の強調された名演奏ででています。
以後ヘンデルの全盛期が到来しました。
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              水上の音楽
(7)リナルド(1711)
多作のヘンデルがこの期間に書いたのは
(9)「テゼオ{(1725)」
(11)「アマデイージ」(1725)だけです

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