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zoom RSS 愛の妙薬

<<   作成日時 : 2018/03/09 10:32   >>

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これはドニゼッテイの35歳の名作で、彼の死は48年51歳ですから、円熟期の作品といえましょう。
DVDはゲオルギュとアラーニアの名コンビで、15年前に世界中に売りまくりました。手元にあるのはリオン歌劇場のもので、久し振りにきいて、今回も魅了されました。比較的最近ですが、(実際は10年前になりましたが)、ネトレプコとヴィラソンが主役で、なんとヌッチとダルカンジェロがドウカマーラとヴェルコーレをやった贅沢なDVDを輸入盤で入手しました。これは字幕がありませんが、前者に匹敵する名演でした。
ドニゼッテイが喜劇の名人であることは前回「ドン・パスクワーレ」で紹介しましたが、「愛の妙薬」には別の何かがあります。これを見ると、単なるドタバタだけではなく、人生の真実を語ってくれるこの曲には何かがある。私をホロリとさせるものが。こんな喜劇を誰が今までかいたろうか。「人知れず涙が」の名曲だけが万人を惹きつけるのではないと思います。
コメデイに「愛」という言葉を表題に使うのは珍しい。この曲には誰でも知っている「愛」についての本質に触れる何かがあるから、誰でも魅かれるのではないでしょうか。
主役はアデーレよりも、むしろネモリーノです。彼が金持ちの叔父の死を知らなくても、只管信じるアデーレへの「愛」がユーモアを生むのです。これがこのオペラの根幹にあるから、誰でも陥る「愛」の罠が美しいメロデイーで次々提示されるから、聞く人を「愛」に落とすのだと私はおもいます。

冒頭「トリスタンとイゾルデ」の話を出し「愛の妙薬」の存在を暗示するのは巧妙です。それを買いにいく相手ドウルカマーラの演技が妙薬の存在をうまくコメデイ化しています。伍長ベルコーレの所作さえコメデイに喜劇的役割を増しています。「愛の妙薬」の背景にはお金がある。当人ネモリーノが知らないうちに、叔父さんが死んで遺産が入っているのを女性たちが、知っていて、彼が大もてになる。ネモリーノはそれをいかさま薬売りから買った薬のせいにしてしまい大騒動。恋人アデーレだけはこの騒ぎを影で見ていて、真の愛情に目覚めるというおもしろい設定の話。一聴
に値します。
 
これは稀にみる実話的魅力にとんだ名作ですが、考えてみると、素材はどこにでもあります。それにつけたメロデイにこそ、ドニゼッテイの名人芸だとおもいますが、その通俗的話題に引き込むのには、見る客の心理状態と役者の演技とに深くかかわることも今回初めてしりあした。二日続けて「愛の妙薬」をみ、2日目のマチェラータ音楽祭での公演では今一つ面白くなかったからです。
マチェラータは19年前、2度ほど訪れましたましが、そこは真夏のみに音楽祭を開催するイタリア東海岸の小都市でした。雰囲気は西海岸のローマ、フィレンツエよりづっとよかったのですが、文化的には低く、DVDではマルキジアーナという無名のオケを使っていてて、役者もレベルが低かった。これがリオンと比べオペラを物足りなくしていたようです。5年後の私の訪問時にはボローニアオケで「ノルマ」の主役はテオドッシュで可成り改善されていました。しずれにしても、こんな静かな田舎町でも楽しめるイタリア・オペラの味は格別です。
  

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