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help RSS フランス古典音楽(11)リュリのオペラ「アティス」(H59)

<<   作成日時 : 2012/03/03 09:43   >>

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      ジベル
音楽悲劇と名付けていますが、通称オペラです。リュリは晩年毎年のように書いています。16曲に上りますがそのうち10曲の台本がキノです。比較的初期の「アティス」(1676)と最後の作「アルミード」(1686)の名曲の誉れ高い名曲をとりあげます。作品は次のとおりです。
1、アムール
2、カドミュス
3、アルセスト
4、テゼ
5、アティス
6、イシス
7、プシシュ
8、ペレロフォン
9、プロセルピーヌ
10、ペルセ
11、フェアトン
12、アマディース ド コール
13、ロラン(オルランド)
14、アルミーダ
15、アーキス
16、アシールとポリクセーヌ

イタリアオペラのように貴族のためのもの、民衆に受け入れられるものではなく、絶対君主のルイ14世のためのもので、彼が気にいらなければ駄目であり、プロローグは王の賛辞で始まります。キノの台本は優れたものだそうで、そのせいか先ず「劇」でした。これは初期イタリアオペラのようです。
画像http://userdisk.webry.biglobe.ne.jp/002/428/56/N000/000/002/133056509598413231182_002.JPG" width="320" height="240" class="up-image" alt="画像" title="画像を等倍で表示します"                             夢の場面                 
アティスの話はギリシャ神話のオウィディウスの「祭事歴」からのとったものでキノの台本。神に精霊も加わりますから常識的な話にはなりません。でもストーリーは惹きつけます。
アティスは男,サンガリードの親戚、サンガリードは妖精、サンガル河の神の娘、セレニュスの婚約者、セレニスはフィギリア王で彼女を熱愛、しかし彼女は彼よりアティスを愛しています。これに大地の神ジベルが加わり、アティスの奪い合いをする話です。
第一幕「ジベルに奉献された山」では皆がジベルの到着を待つ間、アティスとサンリガードの恋のさや当が進み、その経過はこの時代の出来事とは思えないほどしつこいものですが、絡んでいるうちに二人の愛は徐々にはっきりしてきます。しかし表面化しません。
ジベルが堂々と到着、フィギリア人の歓迎をうけます。

第2幕は「ジベルの神殿」では王セレニスへのサンガリードの愛の確認を親戚のアティスに求め、アティスは胸のうちに苦悩を隠しながら、妻の夫への愛を確言します。女神ジベルはアティスを大供犠者に選びます。これは代理人の意味のようです。同時に彼への愛を抱きそれを巫女メリッスにもらしてしまいます。西風が集まって彼女を讃えます。
第3幕「ジベルの大供儀者の神殿」では、アティスはサンガリードへの思いと王セレニスヘの忠誠のいずれを選ぶべきか煩悶しているところへ、知人が現われいうには、「サンガリードがジベルヘ真実を告げる」。
神ジベルはアテイスを夢に落とす。夢の神にジベルのアティスへの愛を告げさせるよう図ったからです。様々な音楽がかなでられ、ダンスが踊られます。
夢が覚め神ジベルがアティスに胸のうちを明かす。
そこへサンガリードが登場し、セレニスとの婚約破棄を申し出ます。しかしアティスはまだ胸のうちを明らかにせずサンデイガードを苛立たせす。
第4幕「サンガル河の神の宮殿」ではセレニスは怒りながらアティスとサンガリードに対峙します。神ジベルは復讐の女神アレクトを地獄から呼ぶ。アレクトはアティスの頭上に松明をかざし威嚇。アティスは錯乱しサンガリードを化け物と錯覚し、彼女を追って殺害。ジベルはアティスを正気にもどし、彼のやったことをわからせます。ジベルは自分のやり過ぎを腹心メリッスと反省しているところへ我が身を責めたアティスが現れ、彼は自害し、息も絶え絶えだったので、ジベルは自分を何時までも愛せるようにアティスを松の木にかえます。最後のディベルスマンは哀悼の場面です。

舞台はパリのオペラコミークですが、誠に豪華で、序唱では天井近くに合唱隊が配置され、金ぴかの衣装が天国を思わせます。ルイ14世時代の舞台はさもありなんと思わせるほどの豪華さです。指揮はウイリアム・クリステイ。

キノの台本は王朝風の恋愛。第一幕などその典型ですが、中身は単純で日本の源氏物語には遠くおよびません。日本の王朝から700年もたっているのを思うと不思議です。
リュリの音楽の原点は1つが自然にある、との逸話があります。
「リュリは自然的なものを模写しようとする。かれはそれを自然に即して模写する。かれは自然自体を自分のシンホニーの基礎とし、自然を音楽にあてはめることをもって満足する。例として
風がふいて、それがある大きな門から吹き込んで行くと、それを守護神パンの嘆きのシンホニーを思わせるような響きをたてる。
これはロマンロランが引用した例です。
舞台の進行は会話ですが、それが滑らかなアクセントで進みますから、優雅に聞こえます。しかし器楽は平凡で反復が多く若干退屈です。合唱が個人の行動と対応し掛け合いになっているので、シンプルですが、音楽としては自然です。優雅に着こなし、かつらをかぶっての舞台を見ていると、背景は単純でも私たちを王朝絵巻の世界に誘ってくれます。筋を知っていれば字幕が英語でも不自由はないというものの、日本語をつけて欲しい、と思いました。

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